格闘技と武術について5

 今まで格闘技と武術について述べきましたが、あとひとつ武道について書きたいと思います。

 主要武道9連盟が加盟する日本武道協議会は「武道は、武士道の伝統に由来する我が国で体系化された武技の修錬による心技一如の運動文化で、柔道、空手道、剣道、相撲、弓道、合気道、少林寺拳法、なぎなた、銃剣道などを修錬して心技体を一体として鍛え、人格を磨き、道徳心を高め、礼節を尊重する態度を養う、国家、社会の平和と繁栄に寄与する人間形成の道である。」と制定しているそうです。

 つまり、近代の日本では格闘技や武術と呼ばれるものは「武道」としてひとくくりにされ、本来人を傷つけ殺める手段である技術を武士道由来するものとし、人間形成の手段としているのですね。ですので近代以前の日本の武術・格闘技≒武道だと言って差し支えないと思います(キックボクシングは日本発祥ですが、現代に考案されたもので武士道と結び付けられません。ですので格闘技カテゴリーだと考えています。あと修斗とかでしょうか)。

 逆に海外の武術や格闘技が「武道」と呼ばれることもありません。武士道と関わり合いがないからですね(某国の日本の武道そっくりなものについてはなんともいい難いですが)。

 この「格闘技や武術をひとまとめにして人間形成の手段としての武道と称する」試みは実にうまくいっていて、例えば剣道は「本来」日本刀で切り合う練習をするもののはずですが、武士道(礼節)を加味することで剣道をやっている人を野蛮であるとか危険人物であるとか評価する人はまずいませんね。ですがこれがナイフ術となると途端に危険なにおいがしますよね(笑)。お見合いの席で特技を聞かれ「剣道です」と答えれば真面目そうとか礼儀正しそうとかいう評価でしょうが、「ナイフ術です」と答えたらまず確実に破談です。完全に変人扱いです。「本来」日本刀の練習かナイフの練習かの違いだけのはずなのですが。

 もちろん礼節は大切です。野蛮とも思える技術を練習するからこそ大切です。

 タクティカル・シラットでも練習相手と組手を始める前と後には相手に礼をします。

 礼法は今のところ特に定めていません。形ではなく、相手に敬意と感謝を表すこと自体が大切だと考えているからです。

タクティカル・シラット 岩田


タクティカル・シラット

インドネシアやマレーシアなどの東南アジアで広く普及している武術「シラット」。  そのシラットを練習している「タクティカル・シラット」という団体です。  組手練習で、打撃、関節、テイクダウン、拘束、武器術(カランビット、ナイフ、スティック)等を行います。  興味のある方はお気軽にお問合せ下さい(*'▽')

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