格闘技と武術について4
今まで述べた通り、私は格闘技と武術の違いは禁じることの違いだと思っています。
すなわち、危険攻撃を禁じているのが格闘技で、全力攻撃(武器術についてはそもそも攻撃を当てること)を禁じているのが武術です。
もちろん中には危険攻撃を禁じながら全力攻撃をしないものもありますし、ひとつの道場で試合形式の練習と組手をする所もありますが、その本質はどちらにあるのかということで区別がつきます。
そして、危険攻撃の禁止とはルールに他ならず、ルールがあればそのルール内での優劣を競うのが常ですので、試合が生まれます。ですので、試合に勝つのが本質かどうか(くだけた言い方をすれば試合で優勝するのが一番価値があるのかどうか、練習の主目的が試合に勝つ事にあるのかどうか)で区別すれば両者は区別できることになります。
具体的に言えば、ボクシングやキックボクシング、総合格闘技、レスリング、散打などは格闘技。その名の通り日本の古武術や少林寺拳法、中国拳法などは武術です。
タクティカル・シラットはそもそも試合がありませんので武術のカテゴリーに入ります。他のシラット、特に伝統派では試合のあるところもあります。しかし個人レベルで試合に勝つ事を目的として練習している人はいるでしょうが、流派自体が試合に勝つ事を主目的としているところは私の知る限りありませんので、全て武術としてよいかと思っています。あくまで副次的に試合形式の練習もしているという理解です。
あと、武道という言葉もありますね。この武道は格闘技や武術とどのような関係にあるのでしょうか。
続きは次回に…タクティカル・シラット 岩田
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