格闘技と武術について2
前回の続きです。
格闘技は禁止技以外については全力で攻撃し合いますので、その試合に勝てるように技術面のみならず筋力を鍛え、速くて強い攻撃ができるようになり、また強い攻撃に耐えられる丈夫な体を作り、スタミナをつける必要があるわけです。そうしないと試合に勝てないからですね。
結果格闘技の練習生は強い体と攻撃力、スタミナを手に入れられるわけです。これらが「強さ」にとってプラスになることは言うまでもありません。
反面、純粋に「強くなる」という側面から考えると、試合特化した技術がかえって邪魔になってしまう可能性があるというデメリットがあります。
当然格闘技の練習生は試合に勝つことを目標に練習するわけですから、試合に勝ちやすいスタイルになるわけです。たとえば顔面に攻撃を入れることが禁じられた格闘技ですと本来一番ガードすべき顔面をガードせず、ボディーをガードするのが定石になります。これは試合に勝つのにはいいですが、ルールを守らない人からの顔面攻撃を食らいやすいとデメリットもあるわけです。もちろんスポーツだと思って試合に勝つことだけが目標であれば全くデメリットではありませんし、格闘技をやられている方でも、試合は試合でストリートファイトは別、と言う意識で別途トレーニングされている方はきちんと使い分けができるでしょう。
格闘技を極論すれば攻撃力と体の強さとスタミナが誰よりもあれば、技術はそれほどでなくても勝ててしまいますし、また試合に勝てればそれで良しとされるのも格闘技です。
タクティカル・シラット 岩田
0コメント