カランビットのお話3
カランビットには①フィンガーリングが付いている、②三日月状に曲がっているという2つの大きな特徴があり、その①フィンガーリングが付いていることでディスアーム(武器を手から離させる)されにくいという事を以前お話しました。
その続きとして、フィンガーリングがついていることの他のメリットを書きたいと思います。
これは武器が手から離れない事と共通するのですが、離れない事で生じるメリット、それはカランビットを持った手で相手の手首などの「物を掴める」という事です。
近代シラットの武器術では武器を持っている手を”Dead Hand(死んだ手)”、武器を持っていない手を”Live Hand(生きている手)”と呼びます。私が初めてこれを聞いたとき、逆ではないのかと思いましたが、理由を聞いて納得しました。
つまり、武器を持ってしまうと武器以外の物を掴むなどの事ができなくなるため、用途が武器を持つことだけに限られるという意味でデッドハンドと呼ぶのです。
しかし、カランビットは手を開いても手から離れず、武器を持った手で相手の手首などを掴むことができるのです。
例え両手にカランビットを持ったとしても、両手ともライブハンドのままなのです。
これにより、ナイフ術よりもカランビット術の方が攻撃のバリエーションが格段に増えるのです。
続きはまた次回…
タクティカル・シラット 岩田
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