カランビットのお話2
カランビットの特徴は大きく2つあり、ひとつはフィンガーリングと呼ばれる指を通すための輪があること、もうひとつは刃が三日月状に曲がっていることですね。
そしてその特徴が武器としての様々なメリットを生み出しています。
まずフィンガーリングについて。
元々カランビットは農耕具だそうです。小型の鎌のように使います。
通常の鎌ですと高いところにある木の実を採ったりする際、握力が利かなくなったり滑ったりして下に落としてしまうと危ないですし、拾いに行くのも大変です。
そこで、フィンガーリングを付けて小指に通して握ることを一人の天才が思いついたのでしょう。これにより下に落とさなくなったばかりか、強く握らなくてもグリップが滑らなくなり手も疲れなくなりました。
この利点が武器としてカランビットを使う際にも実に重要な利点となります。
一つ目は、武器を落とさなくなること。
ナイフなどの小型の武器同士で戦う場合、相手の武器を持っている手を攻撃する「デファング・ザ・スネーク」という武器術の最重要コンセプトのひとつがあります。
要は相手にナイフなどの武器を使わせないようにすることを第一目標に置くわけです。
このデファング・ザ・スネークはなにも武器で攻撃するだけではなく、例えばストリートでのナイフファイトの場合、靴で相手のナイフを蹴り上げて落とすというコンセプトがありますが、カランビットはこの手の攻撃が効きにくいのです。蹴りが見事にカランビットに当たってもナイフ等とは異なり下に落ちることはまずありません(手は痛いと思いますが(笑))。
続きは次回…タクティカル・シラット 岩田
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