スタンスの話

 シラットは元々東南アジアで普及している武術です。狩猟民族の欧米人とは異なり、日本人と同じく農耕民族ですので、欧米人ほど体格に恵まれていない方が多いです。そしてその体格差を埋めるための技術がシラットをはじめとする武術です。

 ですので、シラットは体が小さい人には向かないというのは誤りで、むしろ体の小さい人のための技術と言っても過言ではありません。もちろん体の大きい人がもっと大きい人、武器を持った人に対抗するための技術として練習するのもいいと思いますが、本来は体の小柄な人向けな技術だと思って下さい。まあ、ただ単に体当たりしろ、力で押し込め、は力のある人、体の大きい人にとっては最も有効なアドバイスかもしれませんが、それは武術ではないことはお分かりかと思います(武術にも体当たりの技術は多々ありますが、体の小さい人でも効果的に行う技術が武術であるという意味です)。

 ですので当然武術の最初歩であるスタンスにもその工夫があるはずです。

 例えばショルダーロックのとき。

 相手にエントリーする際に相手の鎖骨に肘を打ち込むという話は以前このブログでもしましたが、その際に足が横に開いている状態だと体の小さい人は後ろによろめきます。

 作用・反作用の法則って物理でやったと思いますが、一定の力で物がぶつかった際には、同じ力で後ろに跳ね返されるのです。このとき自分の質量(体重)が相手の質量(体重)よりも大きければ相手がよろめきますが(実際には他の様々な要素が入ってくるのでこれほど単純な話ではありませんが)、自分の質量の方が軽ければむしろぶつかっていった自分がよろめいてしまうのです。

 そして飛び込む時の勢いがあればあるほど自分が衝撃を受けることになります。

 相手が人でなく壁であればもっとわかりやすいでしょう。強くぶつかればぶつかるほど、自分が衝撃を受けます。

 ですので、ぶつかったときに正面からの衝撃に強いスタンスを取る必要があります。体の小さい人は特に重要なポイントです。

 タクティカル・シラットでは、ショルダーロックのエントリーの際、「クダクダ・デパン」というスタンスをするように指導しています。

 これは前からの衝撃に一番強い形なのです。

 タクティカル・シラット 岩田

 

タクティカル・シラット

インドネシアやマレーシアなどの東南アジアで広く普及している武術「シラット」。  そのシラットを練習している「タクティカル・シラット」という団体です。  組手練習で、打撃、関節、テイクダウン、拘束、武器術(カランビット、ナイフ、スティック)等を行います。  興味のある方はお気軽にお問合せ下さい(*'▽')

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