ショルダーロックのエントリーの肘(2)
昨日の続きです。
ショルダーロックを掛ける際にはエントリーの時に相手の鎖骨に打上げ肘を打つのが基本となっていますが、実際には自分よりも大きな人の鎖骨には肘を当てるのは難しいとという話をしました。
では、自分より体格の大きい人への肘打ちははどうすべきなのでしょうか。
話は単純で、打上げ肘ではなく斜めの肘を使えばいいのです(9種類の肘の2番目の肘です。わからない人はYoutube等の動画で確認してみてくださいね)。
打ち下ろしの肘(4番目の肘)でもよさそうですが、エントリーの時は相手に飛び込んでいく推進力がありますので、正面に力の入りやすい斜めの肘の方が適しています。
これも実際に組み手をしてみればわかりますが、斜めの肘ですと相手の鎖骨に肘を当てるのは容易です。ただ打上げ肘の時と比べると肘が上がるので右手の先端が下がり、その後相手の首の後ろに手を回すのに少し時間がかかります。
ですが、相手の鎖骨にしっかり肘を当てられるのであれば、その後のコンマ数秒のタイムラグは取るに足りません。もっともそのようなデメリットもあるので、あくまで基本は打上げ肘であるという事も忘れないようにしてください。
またこれもやってみればわかりますが、打上げ肘の時よりも少し相手の外側にエントリーする必要があります。斜めの肘は肘を外側に出して振る肘ですので、その分だけ少し外側にエントリーしないと肘が鎖骨に当たりません。これは相手の首後ろに手を回すのにタイムラグが生じるというデメリットもある反面、相手の左手から遠くなっているので、肘をかわされた時の左手での反撃は受けにくくなっているというメリットもあります。
以上のように相手との体格差という要素だけでも使うべき技が変わってきます。
ですがもちろん、この場合はこうしなければならないというわけではありません。
体格差以外にも技を変化させるべき要素はたくさんあるからです。
では例えばどんな時にどんな技に変化させるべきでしょうか。
前回も少し触れましたが、単に相手に大きなダメージを与えるのであれば、水平肘で喉を狙うのが効果的です。
逆に相手になるべく怪我をさせずに拘束する必要がある場合もあるかもしれません。
その場合は肘でなく掌底であごを打ち、相手をふらつかせて拘束するのがよいでしょうし、相手をノックダウンさせるのが目的なら肘であごを打ち上げるのがいいです。
このように技を掛ける目的によっても技は変化させるべきです。
もちろん他にも相手が武器を持っているか、自分や相手の体勢、シチュエーション、体力差等々様々な要素により技を変えるべき時がある場合がありますね。
タクティカル・シラット 岩田
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