タクティカル・シラット

 東南アジアで普及している武術「シラット」のセミナーを開催しています。
 シラットには突きや肘や蹴りなどの打撃のみならず関節や投げ技を豊富に含み、また武器術も多岐に渡ります。
 ぜひ一度シラットを体感してみて下さい!(*'▽')

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一芸に秀でる者は多芸に通ず

武術の技数に関する方向性には大きくふたつあると考えています。第一に「ひとつの技をとことん突き詰めて、全てそこに集約する」という考え方。第二に「あらゆる状況に対応、応用すべくたくさんの技を覚える」という考え方。どちらも一理あるように思いますが、ひとつ言えることがあるとすれば、「ひとつの技に集約するとしても、それは画一的であってはならない」という事です。つまり、技を絞り込むのはいいのですが、生徒の特性も考えずに「この技に全てを集約せよ」という教えであってはならないと考えています。 相撲でも、押し出しが得意な人、下手投げが得意な人、八双飛びや猫騙しなどトリッキーな技が得意な人。色々います。柔道でもそうですね。 一通り習得してから、「自分に合ったもの」を突き詰めていくべきです。 生徒の特性や動きを見て「この技を突き詰めなさい」はというのはいいのですが、先生から「画一的に」この技を突き詰めなさい、は違うと考えています。 タクティカル・シラットでも色々やりますが、インストラクターになるのでなければ全てできるようになる必要はありません。自分に合うと思うもの、自分に役立つと思うものをお持ち帰りください。 ただし、インストラクターになるのであれば一通りマスターする必要があります。 先生が得意でなくても生徒はどうかわかりません。 「得意でないので教えていません」では生徒の可能性を狭めてしまいます。 タクティカル・シラット 岩田

使える技術・使えない技術3

 偉そうに書いている私が、引くことを意識したパンチを打たれて腕を掴みフィギュア4を掛けられるかと言うとまず掛けられません。 というか、掛けられる人はいないと思います。 もちろん再三言うように「力量差」ですので、掴めるケースもあると思いますが、同程度の方同士でしたらまず掴めませんし、フィギュア4は掛けられません。一定レベルのトレーニングをした人のパンチは誰であっても掴めません。  ですが、結果的にフィギュア4が掛けらるかどうかは別の話です。  話が見えてこないですか?  フィギュア4を「パンチを掴んで掛ける技」と思っているうちにはまず掛けられないということです。フィギュア4は「腕を掴んだ時に掛ける技」だからです。  実戦でパンチの打ち合いをしている段階で相手の腕を掴めることはまずありません。 しかし組み合いになれば相手の腕を掴む機会はいくらでもあります。 総合でもそんなシーンはよく出てきますよね。 そして、腕を掴んだ後の選択肢としてフィギュア4は有効なもののひとつなのです。 その時のために私達はフィギュア4を練習しているのです。  では最後の疑問です。 なぜパンチを掴む形からフィギュア4を練習しているのか? これは私がやり始めたことではないのでわからないのですが、私がこの方法を踏襲しているのにはもちろん意味があります。ヒントは第二回に書いてあります。  これ以上書くとお金を払って教室に来ている人に怒られそうなのでここらへんで終わりにしますが、タクティカル・シラットではパンチを掴む形からだけではなく様々なシチュエーションからの練習をしています。 タクティカル・シラット 岩田

使える技術・使えない技術

 タクティカル・シラットに限らず、約束組手の練習をする武術・武道は「使えない」と批判されることがあります。 これは半分合っていて、半分間違っています。 合っているのは、「そのままではそう簡単に使えない」ということです。 練習はあくまで練習であって、そのままいつでもだれに対してでも使えるわけではありません。 例えば、フィギュア4という練習をする際、相手のパンチを掴んでから掛ける練習をします。 すると「相手はパンチを出しっぱなしにしない。引かれたらつかめないじゃん。使えないよ、こんなの」 と言われるのです。 これは半分正しく、引かれたらつかめない、フィギュア4を掛けられないという意味では正しいでしょう。  ですが例えばボクシングで言うと、ジャブをサンドバッグに打つ練習を見て「実戦では相手動くじゃん?ジャブなんてスウェイすれば当たらないでしょ、使えないよ、ジャブなんて」という批判と同じです。 確かにジャブを習ったからと言って簡単に誰に対してでも当たるわけではありません。 スウェイやダッキングすればかわされることもあります。 でもだからと言ってボクシングのジャブが使えない、という批判が正しいと思う人はいないでしょう。きちんとトレーニングして正しく速いジャブが打てれば戦いに効果的である事は間違いないはずです。 そして、ジャブが当たるかどうかは(単純に言えば)攻撃側と防御側の力量差によるわけです。 フィギュア4も同じことです。 ですので、「全く使えない」というのは間違っています  続きは次回に…  タクティカル・シラット 岩田

第1回 シラットのスタンスについて

【初めに】シラットを色々な所で学ぶとその所々で違う事を教えられ混乱することがあるという話を聞きます。きっと私にもその責任の一端があるのでしょう(笑)。そのような時先生は「ウチが正しいのでウチの言う通りにしなさい」と言うのが楽なのですが(笑)、私は率直に「他ではこう習ったのですが、それではダメか」と聞いてほしいと思っています。きっと私は「あなたがやりやすいならそれでも大丈夫ですよ。ただ、こういうメリットがある反面こういうデメリットがありますよ」と言うはずです。そして色々な先生からコンセプトを聞いて、最終的に自分が納得できる方法を採用すればいいと思っています。これだけは断言できますが、全ての人に適合する絶対なる技術などはこの世に存在しません。全ての技術にはメリットとデメリットが存在します。それをよく理解したうえで練習する必要があります。逆に先生は「こうしなければならない」と教えるのであればその理由をきちんと説明し、生徒を納得させる責任があると思っています。他で武術を習うことを嫌う先生も多いようですが、私は全然かまいません。そして、他の武術とタクティカル・シラットを融合していただいていいと思っています。ただ他の生徒さんはシラットを習いに来ているわけですから相手が望んでいないのに他の武術の技を掛けたりはしないでくださいね。【スタンスについて1 左足前?右足前?】第一回は武術において最も基本となるスタンス(立ち方)についてです。タクティカル・シラットではスタンスを7つに分けて学んで頂きます。ただ最も基本となるナチュラル・スタンスは、あなたの立ちやすいように立って頂いています。かといってどう立ったらいいのかわからない方のために一応ガイドはあります。「利き手側の足を後ろにして動きやすいように楽に立ってください」と教えています。 右利きの人が多いので左足前で立つ人が多いですが、もし右利きであっても今まで他で習ってきた武術や格闘技の関係などで右足前が立ちやすいようでしたら右足前で立って頂いて構いません。もちろん左手が利き手の方は右足前で立って頂いて構いません。 但し、相手が技を掛けるときは相手が上級者以上でない限り、左足前で立つようにして下さい。戦いの際には左足前の人が多いので、私が教える際原則として左足前の相手に技を掛けるよう解説しているからです。技を掛ける際に相手が右足前だと初級者は混乱してしまいますので。 相手が上級者以上のときは「左利きなんですが、右足前で受けていいですか?」と聞いてから練習するようにして下さい。上級者以上の方は逆足の人に技を掛けることも練習した方がいいですので。もちろん自分が技を掛けるときはやりやすい右足前で掛けましょう。  なぜこうしているかと言うと、生徒さんの今までの武術・格闘技の技術と矛盾させないためです。 例えばサウスポースタイルのキックボクシング経験者がシラットを習いに来たとしましょうか。 にもかかわらず、「利き手にかかわらず左足前で立ってください」と教えられ、ずっと左足前でシラットの練習をしたとしましょう。 で、街で暴漢に襲われた時、その方はどう戦うと思いますか?(逃げて下さい、と言うのは置いておいて戦わなければならない状態に追い込まれたと考えて下さい) もしキックの経験が長く身に付いていたとしたら、サウスポースタイル(右足前)で構えます。シラットの拘束術で拘束すべきタイミングで、左足前でしか練習していないシラットの拘束術がスムーズに出せるでしょうか。 きっとスムーズに技を出せずに一生懸命練習してきたシラットの練習は無駄になってしまうでしょう。 逆にシラットの経験が長くなった時、オーソドックス(左足前)で戦うことになりますが、左足前で得意の左ミドルがスムーズに蹴れるでしょうか。一生懸命に練習してきたキックの練習が無駄になりかねないのです。 私は今まであなたが培ってきた武術や格闘技をダメにするような武術を教えたくありません。右足前の方が構えやすい人は、右足前でシラットの技を掛けられるように練習した方が習う人に圧倒的に有益であると考えています。 キック経験者がシラットを習ったのなら蹴るべき時にキックの技術で蹴り、拘束すべき時にシラットの拘束術で拘束できるようになるべきです。 もちろん何もやったことがないという方には一からタクティカルメソッドを教えます。ご安心ください。ではなぜ左足前を強制する流派があるのでしょうか?これはズバリ教える方が楽なんですよ(笑)。生徒さんの為ではなく、教える側の都合であると私は考えています。技を掛ける方と掛けられる方、左足前と右足前の人がいるときちんと全てのパターンを把握していないと教えられないことになります。ですが、利き手にかかわらず左足前を強制することにより、画一的に教えられるようになります。例えば軍隊のようにたくさんの兵隊が短期間で技を覚える必要があり、たくさんの教官が必要で教官を早期養成するにはこの方法がいいのだと思います。でも生徒さんの特性を考えずに画一的に教えられるのであれば教室で学ぶ必要はなく教則DVDを見て友達と練習すればよくないですか?(笑)もちろん左足前でないと掛けにくい技もありますが、当然右足前の方が掛けやすい技もあります。両方学ぶべきですが右足前の人は後者をよりよく練習すべきです。技には相手との身長差や体格差により掛けやすいもの掛けにくいものもありますが、先生になるのでなければ自分に合った技を中心に練習すれば十分です。生徒さんはせっかく時間とお金を投資して教室なりセミナーに行くわけですから、先生なり先輩なりに色々質問して自分に合ったシラットを模索しましょう。ただ一方的に先生の言っていることだけ聞いて帰るならDVDで十分ですよね。ちなみにタクティカル・シラットの教則DVDは絶賛発売中ですよ(笑)【スタンス2 正対?側対?】 また「正対(左右の足を横に広げて体の正面を相手に向けた状態)に近い形で構え、金的を守るため両膝を内側に曲げてください」と教えるところもあります。 確かにこの立ち方ですと、リーチの短い肘は相手に届きやすいですし両肩は連関しやすいので正面から肘連打するには向いている立ち方といえるでしょう。正面からでは通常後側にある利き手での肘が相手に届きにくいわけですから、これが相手に届きやすくなるというのは確かにメリットです。 ですが正対に近いスタンスですと正面からの攻撃を受けやすく、突きや前蹴りなど直線的な攻撃をかわしづらいというデメリットもあります。 そしてこの立ち方からだと正面からの攻撃を正面でぶつかっていき肘を打つコンセプトになります。ですが、体重の軽い人、女性の方、正面からぶつかっていって打ち勝つ自信がありますか? 正面からの攻撃に対しては相手の側面に回り込むのが多くの武術の基本になります。タクティカルもそうです。 そして側面に回り込めれば後側にある手(左足前で右利きなら右手)が相手の近くに来ているので十分肘の連打ができます。そして正面から打つより当てやすいですし、相手の左手での攻撃も受けにくいです。正対しなけば膝を内側に絞り込まなくともそれ程簡単に金的も蹴られませんので足も動かしやすくフットワークも使いやすくなります。 肘の連打をしたい→そのためには正対しないと打ちにくい→しかしそれでは金的が蹴られやすい→膝を内側に曲げないと! という流れです。これを負のスパイラルと言ったら言い過ぎですが、肘連打を獲得するために打撃は当てられやすく、フットワークは取りづらく、蹴れないし蹴りを足で受けられないというのでは多くの人にはデメリットの方が多いように感じます。 ですので、一般的には正対というより側対に近い形、つまり左右よりも前後に広めにスタンスを取る方が無難です。【スタンス3 前体重?後ろ体重?】ボクシングのようにパンチしか打たず、また蹴られることもないのであれば原則前体重でよいでしょう。しかし蹴りが得意な人にまで前体重を強制する意味があるでしょうか? 前体重ですと自分の蹴り技はもう封印されたも同じです。キックや空手などをやったことのある方ならわかると思います。その立ち方からは蹴りは出せませんし相手の蹴りを足で受けることもできないのです。 もちろん蹴りはやらない、ローキックは足で受けずとも対応できるという人は前体重で構いません。その方がパンチや肘は強力になります。ボクシング経験者など手技が得意な人は前体重の方がよいでしょう。 一般的には前後バランスよく立つのがお勧めですし、蹴りの好きな人は若干後ろ体重気味、パンチや肘が好きな人は前体重気味。両方を使い分けたい人は前後に体重を移動しながら戦って頂くことになります。【スタンス まとめ】なんか批判しているようになってしまいましたが「正対・前体重」の立ち方が合っている人ももちろんいます。 ○肘連打が得意(好き) ○蹴りが苦手(蹴れなくても構わない) ○相手に正面からぶつかっていって負けない丈夫な体がある。 ○腹部に対して多少攻撃を食らっても耐えられる丈夫な体がある。 ○蹴りを足以外で受けても耐えられる丈夫な体がある。 ○体が重くフットワークが苦手(※特定の人をイメージしているわけではありませんよ!)という方なら蹴りやフットワークがしにくくても、正面からぶつかっていって勝てるのでこのスタイルが合っているかも知れません。自分以上の体格の人と戦うときにはスタイルを変えた方がいいと思いますが。 まとめますと、右足前?左足前?…原則利き手側の足が後だが立ちやすい方でよい。正対?側対?…体が丈夫で攻撃主体の人は正対、防御主体…側対。側対気味が無難。前体重?後ろ体重?…手技主体の人は前体重、蹴り主体の人は後ろ体重。お勧めはバランスよく 以上のようにスタンスはあなたのスタイルや得意技で決めるべきであり、誰かに強制されるものではないはずです。もちろんあなたの技術や特性を十分に理解したコーチが指導するなら話は別です。 タクティカルにはたくさんの先生から教わった多彩な技がありますが、全てをまんべんなく身に付ける必要はありません。ご自身の好きなスタイル、得意なスタイルを構築していってください。【最後に】 シラットの流派によっては全て「こうしなければならない」と教えているところもあります。もちろんその流派の正統後継者になるのが目的であればそうして下さい。 ですが、そうでなければなぜそうすべきなのか説明がなく、あなたも理解しないまま妄信したのでは無益どころか有害ですらありえます。 ぜひ先生からコンセプトをよく聞き、納得したうえで練習するようにして頂くことを願って止みません。  最後に、あなたが憧れたシラットがあるはずです。そのシラット使いはそのようなスタンスをしていましたか?  タクティカル・シラット 岩田

カランビットのお話(まとめ)

 ※以下は2018年2月~3月に書いたカランビットのお話5回分をまとめたものです【第一回】 シラットに興味を持つに至った過程は様々ですが、大概は大きく2つに分けられると思います。 ひとつは映画やドラマ、アニメなどでのシラットのアクションシーンを見てシラットに興味を持つパターン。もうひとつはカランビットという武器にまず興味を持ち、そこからシラットに興味を持つパターンです。それ程カランビットはシラットと密接なつながりを持つ武器だと言えると思います。ちなみに私はシラットを何も知らないまま友人に誘われてセミナーに参加し、そこからシラットに興味を持ち始めた珍しいケースです(笑)。 そんなシラットと非常に密接なつながりのあるカランビットですが、その魅力は意外と知られていません。知られていないというか、それを伝えられる人があまりいないのですね。【第二回】 カランビットの特徴は大きく2つあり、ひとつはフィンガーリングと呼ばれる指を通すための輪があること、もうひとつは刃が三日月状に曲がっていることですね。 そしてその特徴が武器としての様々なメリットを生み出しています。 まずフィンガーリングについて。 元々カランビットは農耕具だそうです。小型の鎌のように使います。 通常の鎌ですと高いところにある木の実を採ったりする際、握力が利かなくなったり滑ったりして下に落としてしまうと危ないですし、拾いに行くのも大変です。 そこで、フィンガーリングを付けて小指に通して握ることを一人の天才が思いついたのでしょう。これにより下に落とさなくなったばかりか、強く握らなくてもグリップが滑らなくなり手も疲れなくなりました。 この利点が武器としてカランビットを使う際にも実に重要な利点となります。 一つ目は、武器を落とさなくなること。 ナイフなどの小型の武器同士で戦う場合、相手の武器を持っている手を攻撃する「デファング・ザ・スネーク」という武器術の最重要コンセプトのひとつがあります。 要は相手にナイフなどの武器を使わせないようにすることを第一目標に置くわけです。 このデファング・ザ・スネークはなにも武器で攻撃するだけではなく、例えばストリートでのナイフファイトの場合、靴で相手のナイフを蹴り上げて落とすというコンセプトがありますが、カランビットはこの手の攻撃が効きにくいのです。蹴りが見事にカランビットに当たってもナイフ等とは異なり下に落ちることはまずありません(手は痛いと思いますが(笑))。【第三回】 続きとして、フィンガーリングがついていることの他のメリットを書きたいと思います。 これは武器が手から離れない事と共通するのですが、離れない事で生じるメリット、それはカランビットを持った手で相手の手首などの「物を掴める」という事です。 近代シラットの武器術では武器を持っている手を”Dead Hand(死んだ手)”、武器を持っていない手を”Live Hand(生きている手)”と呼びます。私が初めてこれを聞いたとき、逆ではないのかと思いましたが、理由を聞いて納得しました。 つまり、武器を持ってしまうと武器以外の物を掴むなどの事ができなくなるため、用途が武器を持つことだけに限られるという意味でデッドハンドと呼ぶのです。 しかし、カランビットは手を開いても手から離れず、武器を持った手で相手の手首などを掴むことができるのです。 例え両手にカランビットを持ったとしても、両手ともライブハンドのままなのです。 これにより、ナイフ術よりもカランビット術の方が攻撃のバリエーションが格段に増えるのです。【第四回】 今回はフィンガーリングの利点の3つ目です。 カランビットとナイフを目の前に出し、どちらかを使って戦って下さいと言ったらほぼすべての人はナイフを選ぶはずです。もちろんナイフやカランビットの大きさ、刃渡り、両刃かどうかという点も影響しますが、通常ナイフの方が刀身が長いものが多いでしょう。 その刀身の長さが戦闘においては圧倒的に有利ですので、ナイフの方が魅力的に映るはずなのです。 カランビットはその点においてナイフに一歩リードを許すことになります。 しかし、それを補う技術として「フレイル(エクステンド)」という技術があります。 人差し指に掛けたカランビットを前に振り出して打ったり切ったりする技術です。 これによりグリップ一つ分の刀身を稼げますので、刀身の短いカランビットでもナイフと対抗できるのです。 またこの技術により相手のガードを掻い潜ってダメージを与えることができるようになります。【第五回】 今まで述べてきたようにカランビットはフィンガーリングがあることにより様々なメリットがありました。 今まで述べてきた事以外にも、握る手がつかれない、武器が滑らない、リング部分で攻撃できるなどメリットの枚挙に暇がありません。 そしてさらに、カランビットはその三日月状の刀身から実にシラットの攻撃方法と親和性が高い武器と言えます。 つまりシラットの突き、拳槌(ハンマーパンチ)、肘の攻撃方法がそのままカランビットで活かせるのです。 すなわち、突きは刃の先端部分、拳槌は外刃、肘(またはフック・アッパー)は内刃の攻撃とそのままリンクしているのです。 素手で攻撃するようにカランビットで攻撃すればそのままカランビットを使えることになります。【加筆】 それだけでなく、フレイルの際先端が曲がっているためカランビットを引くことで容易に切ることができますし、フックアッパー系の突き(ソンキット)で攻撃すると刃が食い込むように切れるので大ダメージを与えることができます。 以上のようにカランビットは凄い武器なのです。